First written on Aug 26, 2001
Last update: Sep 1, 2001

非商用 Tru64 UNIX V5.0 インストール・ガイド (補足) -- XP1000編



はじめに

Compaq XP1000 に 非商用 Tru64 UNIX V5.0 をインストールしてみます。 他のUNIXを使ったことがあれば、OSのCD-ROMさえブートできれば楽にインストールできると思います。 Compaq の膨大で初心者に不親切なドキュメントを読まずに 手っ取り早く作業を進めるには、下記のサイトが大変便利です。

ここでは簡略化されたインストール手順と、補足事項だけを示します。


OSのインストール手順

  1. 電源を入れて、 画面がブルーになり左上に E8.E7. と表示されたら、すかさず [CTRL]+[C]を押さえたままにします。 ハードディスクからブートしようとする場合が あるので、これを阻止して、SRM コンソールのプロンプト
      >>>
    
    を出すためです。次回に[CTRL]+[C]を押さなくても済むように、
      >>> set auto_action HALT
    
    としておきます。
  2. Tru64 UNIX 非公認ユーザーサポートホームページを参考に、 ファームウェアのアップデート作業を行います。 XP1000の標準のCD-ROMドライブは dqa0 なので、Firmware Update の CD-ROM は
      >>> boot dqa0
    
    でブートできます。作業が終ったら電源を再投入します。 今度はSRMコンソールのプロンプトが出て止まるはずです。
  3. Tru64 UNIX 用にパラメータを設定します。 XP1000の標準のハードディスクドライブは dka0 です。
      >>> set boot_osflags A
      >>> set boot_file
      >>> set bootdef_dev dka0
    
    これをやっておかないと、以前に Linux/Alpha などが入っていた場合に、 Tru64 UNIX の CD-ROM のブートに失敗することがあります。
  4. Tru64 UNIX V5.0 Operating System Volume 1 の CD-ROM からブートします。
      >>> boot dqa0
    
    しばらく待つとグラフィカルなインストーラが立ち上がってくるので、 Tru64 UNIX 非公認ユーザーサポートホームページを参考に、 インストール作業を進めます。
  5. Country Support は English(US) の他に Japan も入れておきましょう。
  6. ディスクのパーティション設定の方法を尋ねられたら Custom を選びます。 デフォルトのレイアウトでは / (root) が128MBしかないので、 後で困ることが多いのです。作業の途中で Disk Configuration のウィンドウが出るので、そこで root パーティションを256MB以上に変更します。(例えば256MBとか320MBとか)
    a,b,g の3つのパーティションができるはずですが、ここで /home のためのパーティションを作る必要はありません。 gパーティションの後ろに /home 用の空きを残しておくことにします。
  7. 先に Country Support でJapanを選択しておくと、OS本体のインストールが終了した時点で、 Tru64 UNIX V5.0 Associated Products Volume 1 の CD-ROM を要求されます。 CD-ROMを入れ替えて作業を続行します。
  8. 言語関係のソフトウェアを入れ終るとリブートが要求されるので、それに従います。
  9. リブートの後にシステムの設定が必要です。rootでログインすると、 Tru64 UNIX: System Setup のウィンドウが開いているはずです。 まず Quick Setup でシステム設定を行うのが楽です。 ただし、非商用 Tru64 UNIX V5.0 では Quick Setup ではライセンスがうまく登録できません (たぶんバグ)。 ライセンスの登録の画面はスキップして作業を進めます。
  10. Quick Setup の作業が終ったら、今度は Custom Setup を実行します。 ここで License Manager を起動します。 最初から登録されている OSF-USR のライセンスは削除します。 非商用 Tru64 UNIX V5.0 のパッケージに入ってきたライセンスの紙を見ながら、 OSF-BASE、OSF-USR、OSF-SVR、OSF-DEV の4つのライセンスを登録します。
    (入力枠で漢字入力モードになってしまうので、ASCII モードにしたければ [SHIFT]+[Space] です。)
  11. Tru64 UNIX 非公認ユーザーサポートホームページを参考に、 OSにパッチ (Tru64 UNIX Tru64 V5.0 ECO Summary) を当てておきます。 セキュリティ対策のパッチが含まれているので、パッチは必ず当てておきましょう。
    Tru64 UNIX のパッチキットは以下で入手できます。 (search patches に進んで Tru64 UNIX を選択)

    パッチ適用例 :
      # tar xpf t64v50as0004-20010723.tar
      # cd patck_kit
      # unset LANG
      # ./dupatch
        (dupatch の指示に従う。最初はすべてのパッチを当てるとよい。)
      # cp -p /vmunix /vmunix.ORG
      # mv /sys/HOSTNAME/vmunix /
        (HOSTNAME は自分で付けたホスト名)
      # halt
        (reboot でもよい)
    
  12. 電源を入れたら自動的にOSが立ち上がるように、SRMコンソールのパラメータを変更します。
      >>> set auto_action BOOT
    

/home の作り方

AdvFS では g パーティション (デフォルトでは /usr だけが含まれる) の 中に /home 領域を作ることもできますが、ここでは別のパーティションに /home を作ってみます。

  1. System Setup のウィンドウから、Disk Configuration を起動します。 コマンドラインから
      # diskconfig
    
    としても起動できます。
  2. 先にシステムを導入したディスクを選ぶと、a,b,g パーティションだけが見えます。 h の所をチェックして、h パーティションを作ります。
  3. パーティションの属性を下のように変更します。
    Usage: AdvFS
    Domain Name: home_domain
    Set Name(s): home
    
  4. [OK]を押して Disk Configuration を終了します。
  5. 作成したファイルセットを /home にマウントするために、/etc/fstab に次のような行を追加します。
      home_domain#home   /home advfs rw 0 3
    
  6. ファイルセットを実際にマウントします。
      # mount /home
    

AdvFS の file domain や fileset をコマンドラインから操作したい場合は、 mkfdmn や mkfset、fdmns のオンラインマニュアルを参照してください。


Multimedia Services の導入

ビデオやオーディオのデバイスをサポートするための Multimedia Services (MME) を導入します。

次回のログインから、 アプリケーション・マネージャに Multimedia のフォルダが見えるはずです。


インストール後に必須の設定 -- セキュリティ対策

セキュリティ対策のために、OSのインストールの直後に以下の設定が必要です。


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