First written on May 18, 2003
Last update: Jun 28, 2003

Tru64 UNIX V5.1B 簡易インストール・ガイド -- PWS-a編



はじめに

digital Personal Workstation 600a (enhanced型, 以下PWS-aと呼ぶ) に Tru64 UNIX V5.1B をインストールしてみたので、 簡易のインストール・ガイドを作成してみました (本当は自分のためのメモなんですが...)。 他のUNIXを使ったことがあれば、OSのCD-ROMさえブートできれば楽にインストールできると思います。


OSのインストール手順

  1. 電源を入れて、 画面がブルーになり左上に ea.e9.e8.e7.e6. のように表示されたら、すかさず [CTRL]+[C]を押さえたままにします。 ハードディスクからブートしようとする場合が あるので、これを阻止して、SRM コンソールのプロンプト
      >>>
    
    を出すためです。次回に[CTRL]+[C]を押さなくても済むように、
      >>> set auto_action HALT
    
    としておきます。
  2. ファームウェアが最新版でない場合は、最初にファームウェアのアップデート作業を行います。 PWS-a (enhanced)の標準のCD-ROMドライブは dkb0 なので、Firmware Update の CD-ROM は
      >>> boot dkb0
    
    でブートできます。作業が終ったら電源を再投入します。 今度はSRMコンソールのプロンプトが出て止まるはずです。
  3. Tru64 UNIX 用にパラメータを設定します。 PWS-aの標準のハードディスクドライブは dkc0 です。
      >>> set boot_osflags A
      >>> set boot_file
      >>> set bootdef_dev dkc0
    
    これをやっておかないと、以前に Linux/Alpha などが入っていた場合に、 Tru64 UNIX の CD-ROM のブートに失敗することがあります。
  4. Tru64 UNIX V5.1B Operating System Volume 1 の CD-ROM からブートします。
      >>> boot dkb0
    
    しばらく待つとグラフィカルなインストーラが立ち上がってきます。 初めにインストール作業に使用する言語(英語/日本語/中国語)を尋ねてくるので、 「日本語インストレーション」を選びます。
  5. ホスト名と日時を聞いてくるので、入力します。
  6. rootパスワードを聞いてくるので入力します。
  7. 「システムにインストールするベース・ソフトウェア」を聞いてくるので、 適当に選びます。ディスクに余裕があるなら「すべてのソフトウェア」にすると後々に楽です。 国別サポートには「日本, 英語(US)」が入っていることを確認します。
  8. カーネルを構築する際のコンポーネントをどうするか聞いてくるので、 「最小構成」を選びます。
  9. ファイルシステムの設定の画面になったら、「ファイルシステム構成のカスタマイズ」 を選択します。 デフォルトのレイアウトでは / (root) が小さくて、 後で困る場合があります。作業の途中で Disk Configuration のウィンドウが出るので、そこで root パーティションを400MB以上に変更しておくと良いでしょう。
    a,b,g の3つのパーティションを作ります。それぞれ /, swap, /usr に対応します。 gパーティションの後ろに /home 用の空きを作る必要はありません。 後で AdvFS の /usr と同じドメインの中に /home を作ることができます (容量の少ないディスクではこの方が便利)。
  10. 確認のために、これまでの作業で入力されたデータが表示されます。 内容を確認の上で「完了」を押します。間もなくソフトウェアのインストールが始まります。
  11. CD-ROMからディスクにソフトウェア一式がコピーされると、システムが自動的にリブートされます。 ブート後に自動的にソフトウェアの設定が行われます。

    使用しているディスクにも依存しますが、ここまでの作業で大体70分かかります。
  12. ベース・ソフトウェアのインストールが終了した時点で、 Tru64 UNIX Associated Products Volume 1 の CD-ROM を要求されます。 CD-ROMを入れ替えて作業を続行します。
    しかし、私の環境ではCD-ROMの認識に失敗しました。 日本語サポートのパッケージは後で導入することにして、「スキップ」を選択します。
  13. カーネルの再構築が自動的に行われた後で、システムが自動的にリブートされます。
  14. リブートの後にシステムの設定が必要です。 日本語サポートが入っていないので、この時点では共通デスクトップ環境(CDE)がまだ英語表示になっています。 rootでログインすると、Tru64 UNIX: システム・セットアップのウィンドウが開いているはずです。
    まず「クイック・セットアップ」でシステム設定を行うのが楽です。 ライセンスは後で登録することにして、「ベース・ライセンス情報の入力」はスキップ して作業を進めます。
    (入力枠で漢字入力モードになってしまうので、ASCII モードにしたければ [SHIFT]+[Space] です。)
  15. クイック・セットアップの作業が終ったら、今度は「カスタム・セットアップ」を実行します。 ここでライセンス・マネージャを起動します。 最初から登録されている OSF-USR のライセンスは削除します。 Tru64 UNIX V5.1B のパッケージに入ってきたライセンスの紙を見ながら、 OSF-BASE、OSF-USR、OSF-SVR、OSF-DEV の4つのライセンスを登録します。
  16. 先にインストールに失敗した日本語サポートのパッケージを導入します。 まずデスクトップのコントロールパネル(画面下にある)から Terminal を起動します。 Tru64 UNIX Associated Products Volume 1 の CD-ROM をドライブに入れて、 次のように入力します。
      # mount -o ro /dev/disk/cdrom1a /mnt
      # cd /mnt
      # ./dusetup
    
    Netscapeが立ち上がってCD-ROMの中身が表示されます。 「Tru64 UNIX Worldwide Language Support V5.1B」を選択し、「INSTALL」のボタンを押します。 別のターミナルが立ち上がって、インストーラが起動します。 選択された言語に Japan が表示されていることを確認の上、
      Would you like to change your country list? [n]
    
    には n で答えます。どのソフトウェアをインストールするか聞かれるので適当に答えます。

    ここまでの作業全体で大体110分です。
  17. Netscape のウィンドウを閉じます。CD-ROMをアンマウントして取り出します。
      # cd /
      # umount /mnt
    
  18. システムをリブートします。
      # reboot
    
    これでCDEも日本語表示になったはずです。
  19. セキュリティ対策のパッチが含まれているので、最新のパッチ (Tru64 UNIX Tru64 V5.1B ECO Summary) は必ず当てておきましょう。
    パッチキットは以下で入手できます。
    (search patches に進んで Tru64 UNIX を選択)

    パッチ適用例 :
      # tar xpf t64v51bb1as0001-20021229.tar
      # init S
        (single user mode に移行する。)
      # mount -a
      # cd (tarファイルを置いたディレクトリ)/patch_kit
      # LANG=C ; export LANG
      # ./dupatch
        (dupatch の指示に従う。最初はすべてのパッチを当てるとよい。)
      # cp -p /vmunix /vmunix.ORG
      # mv /sys/HOSTNAME/vmunix /
        (HOSTNAME は自分で付けたホスト名)
      # halt
        (reboot でもよい)
    
    すべてのパッチを適用するのに80分ほどかかります。
  20. 電源を入れたら自動的にOSが立ち上がるように、SRMコンソールのパラメータを変更します。
      >>> set auto_action BOOT
    

/home の作り方

AdvFS では g パーティションの中に /home 領域を作ることができます。 デフォルトでは g パーティションが usr_domain ドメインに割り当てられていて、 ファイルシステム /usr と /var が usr_domain の中に作成されています。 ディレクトリ /etc/fdmns を覗くと、既存のドメインを知ることができます。

usr_domain の中にファイルセット home を作るには、次のように操作します。

  # mkfset usr_domain home
作成したファイルセットを /home にマウントするために、/etc/fstab に次のような行を追加します。
  usr_domain#home   /home advfs rw 0 3
  • ファイルセットを実際にマウントします。
      # mount /home
    

    その他のAdvFSの操作については、 mkfdmn や mkfset、fdmns のオンラインマニュアルなどを参照してください。


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