Feb 15, 2003
かつての名機 digital Personal Workstation a/au も、 最近はオークションなどで、悲しいほど安値で取り引きされていたりします(2003年現在)。 安いとはいえ、どうせ買うなら良いものを選びたいものです。 PWS-a/auのバリエーションをまとめてみました。
もちろん周波数が高いにこしたことはありません。 600MHzモデル (600a/au) を狙いましょう。500MHzもそれなりですが、 433MHzは悲しいと思います。
とは言え、Alpha 21164A (EV56) は、普通に使っていれば同周波数の Intel Pentium III に負けてしまいます。このマシンに速度を期待してはいけません。 (64bit入門機というのがいいところ。)
UNIXモデルが 600au/500au/433au で、Windows NT モデルが 600a/500a/433a です。 (Alphaで今さらNT4.0を使う人は、なかなかいないと思いますが…。)
「aシリーズで Digital UNIX / Tru64 UNIX は動きますか?」というのは FAQです。UNIXが対応しているビデオカードとSCSIカードさえ用意すれば、 aシリーズでもUNIXが走ります。aとauの違いは、これらのカードと、 後述するL3キャッシュメモリだけです。 ビデオカードもSCSIカードもPC用の廉価な製品が使えるので、 頑張ってauシリーズを捜し出す理由はないでしょう (auの赤いロゴが欲しいならともかく…)。
aシリーズにはAdaptecのSCSIカードが載っていることが多いのですが、 「Alphaマシンで Adaptec はゴミ」なので、LSI Logic (Symbios) の Ultra Wide (SE) の カードを用意しましょう。ちなみに、auシリーズには QLogic ISP1040が標準装備です。
PWS-a/auには初期型とenhanced(国内ではGLモデルと呼ばれる)があります。 単に「Personal Workstation 600au」と言っただけでは、どちらなのか区別がつきません。
初期型のSCSI I/Fは、PCIスロットに挿したカードです。 enhancedモデルにはオンボードのSCSI I/Fがあり、内蔵HDDはオンボードのI/F に接続されています。enhancedモデルで外付けSCSI機器を使うためには、 PCIのSCSIカードが必要です。 デバイスが少ないせいか、初期型は電源ONからサクッとブートします。 一方、enhancedモデルは少々もたつく感じです。
外形で見分けるには、USB端子の有無を調べるのが手っとり早いでしょう。 初期型にはUSB端子がなく、背面のパネルに穴がないか、あるいはシールで塞いであります。 USB端子があっても、どうせ Tru64 UNIX では役に立たないので、 初期型でも不都合はないと思います。
最大搭載メモリは、初期型が公称1.5GB(256MB x6)、 enhancedモデルが非公式で3GB(512MB x6)らしいです (未確認)。
この他、IDEコントローラに違いがありますが、 UNIXを走らせる限り、どちらでも大丈夫です。
結局、どうしても新しいものでないと気がすまないとか、 どうしてもUSBが使いたいという人を除いて、 初期型でもenhanced(GL)モデルでも、 どちらでも良いのではないでしょうか (たぶん)。
L3キャッシュメモリ (BCache) の有無は必ず確認しましょう。 SRM Console なら
>>> show memで容量が表示されます。
もちろん容量は大きい方が良いのですが、4MB搭載の機体は希少なので、 普通は2MBになってしまうと思います。 2MBでもPentiumと比較したら十分に大きいです。 もし4MB(最大容量)を搭載した機体が見つかったら、速攻で押さえましょう(笑)。
auシリーズでは、標準で2MB以上のL3キャッシュメモリが搭載されていたようです。 しかし、中古では抜きとられている可能性もあるし、 ロゴだけ au にされているかもしれないので、きちんと調べましょう。
L3キャッシュメモリのない機体は絶対に避けましょう。
特に、aシリーズはキャッシュメモリをケチってある機体が多いので、要注意です。
「L3が無くてもL2があるから…」という淡い期待は禁物です。
どれだけ性能に差があるのかお見せしましょう :)
cache size | 0MB | 4MB |
gzip | 17.5s | 13.2s |
kernel reconfig. | 60s | 50s |
表は、PWS600a上でTru64 UNIX V5.0を走らせ、 Netscape のバイナリファイル(17.6MB)を gzip -c で圧縮して /dev/null に捨てる時間と、カーネルの再構築に要する時間を測定した結果です。 (2MBについては、手元にモジュールがないので測定できませんでしたが、 中間よりは高速な方にかなり寄っていると予想します。)
L3キャッシュメモリは、ショップから単体で買おうとすると、 本体の中古がオークションで買えてしまうぐらいの値段がします。 最初からキャッシュメモリ付きの機体を探した方がお得です。
内蔵HDDについては、本体を買う時にはあまり気にしなくても大丈夫です。 もちろんSCSI I/Fが生きていることが前提です。
ベンダー名のチェックなどという馬鹿なことはしていないので、 digital純正品でなくても、Ultra SCSI (68pin) のドライブなら大抵使えるはずです。 お好みのドライブを入れて使いましょう。