First written on June 2000
Last update: June 27, 2001

ここ数年探し続けていた Fujitsu S-4/20L Model 100 を、 とうとう入手することができました。

「な〜んだ、互換機か」などと言わないように!
S-4/20Lは、SPARCclassicと同様のランチボックスサイズの筐体に SPARCstation20 を詰め込んだ、非常にかわいい計算機です。 Ultra10は大きいし、まだ高いし、SPARCclassicはむちゃくちゃ遅いしで、 Sunのロゴにこだわらず、とにかくかわいくてそこそこ使い物に なるSPARCマシンが欲しければ、このモデルは最適だと思います (2000年現在)。

SPARCstation20のデザインはSunのマシンの中では一番好きなんですが、 ピザボックス筐体は家に置くには邪魔すぎるし、 SuperSPARCだと涙が出るほど遅いし、うるさいし、 まさに三拍子揃っています。(をい)
# と言いつつ、HyperSPARCのモデルを1台だけ確保してありますが…。

S-4/20Lのどこがいいかと言うと、

• 小さくてかわいい。
• 小さくてかわいい。
• 小さくてかわいい。
  
  
• HyperSPARC (80MHzと100MHzのモデルがある) 搭載なので、 SuperSPARC搭載のへたなSPARCstation20よりずっと快適。
• 100MHzモデルはSPARCclassic より4倍以上高速(スペック上)。
• Sun のOEMではなくて、いわゆる互換機なのに、 ハードウェアが比較的素直で互換性が高い(らしい)。
• アーキテクチャは SPARCstation20 と同じ sun4mだから、 まだしばらく使える。
• TGX+(4MB)が入っている。(起動ロゴはSunのTGX+とは違う→ これ)

S-4/20Lの用途の例

• IPC,IPX,SPARCclassic,LX (Sunのランチボックス機)の代替として使う。
  (ただし置物としての用途を除く。)
• (でっかい) SPARCstation20 の代替として使う。
• (でっかい) SPARCstation5 の代替として使う。
• 端末として使う。
  (アプリケーションを走らせるのは少し遅いことを覚悟。)
• 小規模なメールサーバ, Webサーバ, FTPサーバとして使う。
• SPARCマシンのコレクションに加える。
• Solarisの勉強に使う。 (2001年6月削除)
  遅いマシンなので初心者には奨めません。 Solarisを勉強したいのなら、思い切って Sun Blade 100 に行ってしまいましょう。

S-4/20Lの中古の動向

• 中古市場ではなかなかお目にかかれません。 ちょっと希少かもしれません。 しかし、S-4/20Lは1995年頃の製品なので、 既にリースバック品が出回ったはずです。
• 相場はよくわかりません。 今となっては遅い計算機なので、 それほど高くないはずです。 だって動作クロックが0.1GHzしかないでしょう :)
  SPARCにこだわりのない人は、Intel入りのPCにした方が絶対に 幸せです。 サイズにこだわりのない人は、Sun Blade 100 にした方が幸せになれるはず。

わかっていること

• HyperSPARC はMBusモジュールではなくてオンボードなので、 アップグレードできない。
• CPUのクロック数を調べるには、モニタに落ちて module-info コマンド を実行すればよい。 Solarisならば dmesg コマンドで調べられる。
• The Performance Database Server の資料によると、 S-4/20L Model 100 の性能は 111.7 SPECint92, 130.3 SPECfp92 とのこと。 これは SuperSPARC II 75MHz 搭載の SPARCstation20 Model 71 (125.8 SPECint92, 121.2 SPECfp92) に近い値。 筐体が小さいのでより高速に感じる :)
• TurboSPARC,170MHz搭載 の SPARCstation5 よりちょっと遅いぐらいかも。
• メモリはSPARCstation20用のものが使える。メモリスロットは4つで、 64MBモデルだと空きはない。1枚単位の増設が可能(らしい)。 64MBのSIMMも認識する。
• SBusは2スロットあるが、1スロットはTGX+で使われている。
• 付属のキーボードはType5cではなく富士通製のもの。マウスも自社製。 本体のインターフェースは Sun と同じなので、 Sun Type5c や PFU Happy Hacking Keyboard などが使える。
• ROM Rev. 2.15 D (ROMに 0016 015D のシール) のモデルでは、 モニタの test-all コマンドで

    IAR Error: Actual=80 Expected= 0
    IAR Error: Actual=80 Expected= 1
    IAR Error: Actual=80 Expected= 2
    IAR Error: Actual=80 Expected= 3
    IAR Error: Actual=80 Expected= 4
  

  といったエラーが出て、セルフテストが failed になる。 オーディオデバイスかもしれない。
  ROM Rev. 2.15 E (ROMに 0016 015E のシール) のモデルでは正常。 単なるOBPROMのバグと思われる。
• 上記エラーが出ていても Solaris7 は正常に動く。
• test-all コマンドを実行後に Solaris8 をCDROMからブートしよう とすると、irq11がサポートされていないといったメッセージと共に落ちる。 CDROMからブートするのは reset 直後にした方がよい。
• 2000年問題対応状況: Fujitsuのページへ
• FDDはオートイジェクト対応で、Solaris なら eject コマンドを実行すれば 「ウィ〜ン、カシュッ」とFloppy Diskが飛び出してくる。 SPARCのFDDはやはりこうでなくちゃ。
  # 最近のUltraはみんな手動になってしまって悲しい (^_;)
• Ethernet I/F はSPARCstation20と同じLANCE (le)で、10BASE-T 対応。 (この時代はまだ Fast Ethernet は一般的でなかった。)
• 電源について

試してみたこと

• メモリの増設 [2000.6.21]
  最初から入っていた16MBのSIMMを2枚、SPARCstation20用の64MBのSIMM と入れ換える。メインメモリが合計160MBになる。(CDEを使うなら128MBは必須)
• 日本語Solaris7(11/99)のインストール [2000.6]
  Free Solaris7 がそのまま入りました。オーディオ機能もOKです。
  内蔵HDDをIBM DORS-32160 (2GB) に交換し、メモリ160MBの状態で、 TEAC のCD-RWドライブ CD-W54E (読み出し32倍速) を使って、 Entire Distribution のインストールが約75分でした。
• Solaris8のインストール [2001.1.18更新]
• RealPlayer7 を使う [2000.7.8]
• IDE HDD (IBM DTLA-307015) を内蔵してみる [2000.9.27初出]
• IDE HDD (Maxtor 33073H3) に入れ換えてみる [2001.2.12初出]
  しばらくSolaris7で使っていたのですが、HDD交換を機にSolaris8に変更して、 Mail & WWW サーバとして使うことにしました。
• Swift SBus Adapter を入れてみる [2001.2.24]